創業融資における個人保証の位置づけ

今回の記事では、創業融資を受ける場合に個人保証が必要とされる背景、個人保証を外せる場合について、融資機関における対応の違いなども交えつつ解説します。

 

目次

  1. 個人保証とは
  2. なぜ個人保証が求められるのか
  3. 融資機関別の実情-民間融資の場合
  4. 融資機関別の実情-公的融資の場合
  5. まとめ

個人保証とは

個人保証が問題になるのは、法人の場合です。個人事業主の場合は関係ありません。法人が融資を受けるにあたってその債務を経営者やその家族さらには知人が保証をするのが保証債務です。

ちなみに経営者以外の第三者による保証は平成18年以降原則禁止とされており、保証人となるのは多くのケースで代表者本人です。

なぜ個人保証が求められるのか

スタートアップ企業は殆どのケースで経営者の個人企業であり、経営者がすべての権限を握り、会社のお金も自由に使えます。

もし経営者が返済責任を負わないで済むのなら、経営者が無計画に資金を浪費して会社は倒産、貸付金が回収不能などという事態に陥りかねません。だからこそ金融機関は、とくにスタートアップ企業に対しては個人保証を求めるのです。

融資機関別の実情-民間融資の場合

メガバンク・地銀・信金における個人保証、一般的には金融庁のガイドラインに沿って取り扱われています。

ガイドラインでは、「個人保証に依存しない融資」に必要な条件を以下の通り定めています。

〇経営判断・重要な支出等に関し経営者を制御するガバナンスの整備(監査法人等外部機関のチェック必須)
〇安定した財務基盤・顧客基盤の確保
〇財務情報に関する透明性の担保

起業したばかりで条件のクリアーはほぼ不可能で、実質上個人保証が必要となります。

融資機関別の実情-公的融資の場合

地方自治体による制度融資の場合は、原則として個人保証が求められます。

一方で、日本政策金融公庫(公庫)の場合、政策的な後押しもあり、無保証による融資も認めています。

融資制度によっても異なりますが、中小企業経営力強化資金の場合で原則2000万円まで、個人保証は債務者の任意です。さらに、2000万円超でも条件をクリアすれば保証人を外せます。ただし、個人保証を付けた場合との金利差は年間45%におよびます。

まとめ

現状では、創業融資の場合は殆どのケースで代表者の個人保証が必要で、これを外すとなると充分な担保の差し入れ・優位性の強いビジネスプランが求められるか、上乗せ金利を支払わなければいけません。

ところで最近安倍首相は、中小企業を活性化させるためにも個人保証をなくしていくと明言しました。手始めに公庫融資から徹底させるようですが、起業家にとっては朗報といえそうです。